重度の急性呼吸不全がある重症患者が生存するには、肺に空気を送り込む必要がある(機械的人工呼吸)。機械的補助は肺が治癒するための時間を稼ぐ。それにもかかわらず、35%~65%が依然として死亡する。いくつかの研究では、機械的人工呼吸は肺の損傷や出血の原因になるかもしれないことを示唆している。機械的人工呼吸の新しい肺保護方法は大規模試験で検証された。このコクランレビューの3回目のアップデートでは、2012年9月までのデータベースを検索したが、組み入れ基準に該当した新しい研究は見つからなかった。試験の総数は変わらず、1297人を対象とした6件の試験が組み入れたられた。この系統的レビューは、より穏やかな機械換気方法(いわゆる保護換気)が、短期的には平均して26%の死亡を減少させうるが、長期的な影響は不確実または不明であることを示した。
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訳注:
《実施組織》 増澤祐子 翻訳、山本良平 監訳[2020.02.13]
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《CD003844.pub4》